どうしたら貧困がなくなる?

2015-08-11 12:36:14 +0900 written by 徳田 香子

ミレニアム開発目標(MDGs)により貧困は半減しましたが、まだ衣食住が満たされない人、テロや内紛等の恐怖に怯える人、差別に苦しむ人が後を絶ちません。先進国から発展途上国に「あげる」援助は意味がなかったのでしょうか。なぜ、食べるものがない人がもらったお金でテレビを買いたがるのでしょうか。貧しい人たちも自分で立ち上がる力はあるのでしょうか。今最もホットな行動経済学(①)で貧しい村にトリップし、計画的援助の正当性(②)と計画的援助に対する批判(③)の双方を検証することで、私たちの時代で恐怖と欠乏をなくすための一手を見つけましょう。

1 貧乏人の経済学 - もういちど貧困問題を根っこから考える

これから開発経済を志す新世代の若者の必読書。戦後50年以上に渡って政府開発援助の名の下、先進国が発展途上国に「援助」をし続け、貧困は半減しましたが、根絶には至らず、貧富の格差は広がり続けています。一体何がいけなかったのでしょうか?飢餓状態の人が、必要な栄養素をとるために受け取ったお金をタバコやスイーツに使ってしまうのはなぜでしょうか。私たちも後々病院のお世話になるとわかっていながら、ついついスイーツばかり食べてしまったり、老後のために貯金しなければとわかっていながら新しいiPhoneを買ってしまったりしませんか?心理学の観点から人間の行動を理解して、プロジェクトをデザインしたり、政策を立案できれば、私たちの時代で貧困をなくせるかもしれません。世界のトップスクールで必ずテキストとして取り上げられる一冊です。

2 貧困の終焉: 2025年までに世界を変える (ハヤカワ文庫 NF 404)

本のおすすめ度:2.8

ミレニアム開発目標はどのように作られたのでしょう?この著者、コロンビア大学の教授Jサックスが作ったといっても過言ではありません。数値目標をつくって、資金を集めて、人材を集めて、トップダウンで実行すれば、貧困はなくなるのでしょうか。「貧困の罠」から抜け出す後押しをすれば、持続可能なコミュニティが作れるのでしょうか。全世界の貧困層の後押しをするようスケールアップするには、どの程度の資金が必要なのでしょうか。次に紹介するW・イースタリーは真っ向に批判していますが、国連が選んで来た手段を見直し、今後国際社会が歩む道を検討するために必要な本です。

3 傲慢な援助

本のおすすめ度:4.6

Jサックスのトップダウン式「援助」を痛烈に批判した一冊。NY大学の教授であるイースタリーとコロンビア大学の教授であるサックスは、地理的に90ブロックしか離れていませんが、開発に対する考え方は日本とブラジル程の距離です。イースタリーは、よそ者である西欧人が「与える」「押し付ける」形で開発をしても貧困はなくならないと主張しています。貧困をなくしたいという思いで経済学に人生を捧げる点では二人は同じです。さて、どちらの主張にうなづけますか?