はじめてのインド宗教哲学

2015-08-07 18:39:23 +0900 written by 中村 諒

「インド思想って何?」これらの本は深淵なるインド思想の入り口に立つにはうってつけの本です。読んでみると、意外にも私たち日本人の宗教観や価値観に近いことに驚かされるでしょう。学問としての面白さだけでなく、「私とは何か」「世界とは何か」を問い続けたインド思想は、あなたのこれからの生き方にも示唆を与えてくれるかもしれません。

1 東洋のこころ (講談社学術文庫)

仏教学・インド哲学の大家、中村元氏が一般向けに書かれた文庫本。インドの宗教(ヒンドゥー教や仏教など)を中心的な視点におき、日本、中国、朝鮮などの国々の思想と比較して東洋に特徴的な思想をわかりやすく示しています。諸々の宗教の思想そのものを学ぶというよりは、それらの思想がどのように私たちの倫理的生活に影響を及ぼし、また示唆を与えるかという点が強調されています。文庫ですが、巻末に人名・キーワードの索引がついており、後から気になった事項を簡単に引けるのもこの本の魅力です。

2 はじめてのインド哲学 (講談社現代新書)

インドに留学する前、持っていくよう勧められた本。ヴェーダ期の宗教から、仏教、六派哲学など幅広く扱っていますが内容は決して薄くなく、各宗教哲学のエッセンスが凝縮されます。この本に登場するインド思想家の中で気になる人がいれば、さらに詳しく調べてみるのも良いでしょう。個人的には5章の竜樹の認識論が目から鱗でした。インド流「私とは何か」が一冊を通して問われているのが本書の特徴です。インド的な人間観を知るための導入として非常に良い本です。