絵画がもっと好きになる!傑作の鑑賞から、美術史研究の先端まで

2015-07-27 13:05:42 +0900 written by 山田 のぞみ

一枚の絵を見て「素敵だ」と思った時、あるいは「何これ」と唖然とした時、その先に進んでみたいと思ったことはありませんか。美術史という分野は、絵を目にした時のそうしたみずみずしい感覚を出発点に、歴史や文学など隣接する分野にも目配りをしながら、作品の意味や画家たちの営みを明らかにしていく学問です。ここでは、平易な文体で絵画の世界へ私たちを招き入れてくれる書籍から、美術史の方法論を駆使して作品と向き合う研究書まで、順にご紹介しています。

1 まなざしのレッスン〈1〉西洋伝統絵画 (Liberal arts)

本のおすすめ度:4.7

美術史に興味をもって、最初に読む本としておすすめです。各章は絵画のテーマ別に分けられており、さまざまな時代、画派の作品にふれることができます。多くの作品を知ることで、この後の勉強が進みやすくなります。

2 西洋美術史ハンドブック (ハンドブック・シリーズ)

本のおすすめ度:4.2

1の書籍とは異なり、時代順に画家とその作品が取り上げられています。『まなざしのレッスン』で多様な作品を目にしたあとに読むことで、それらの絵画を、歴史の流れのなかでとらえていくことができるでしょう。巻末には、「美術史学」の歴史も収録され、絵画がこれまでどのような方法論で研究されてきたのかについて基礎的な知識を得られます。

3 『ヴィーナスの誕生』視覚文化への招待 (理想の教室)

絵画のジャンルを知り、大まかな時代の流れを把握したら、次は一つの作品をじっくりと味わってみましょう。この本では、イタリアの画家ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』を、さまざまな視点(研究方法)から読み解いています。絵画の「描かれ方」に注目する様式史的アプローチや、モティーフのもつ意味を探ろうとするイコノロジー的手法など、これまでの美術史研究における中心的な方法論を知ることができます。

4 西洋近代絵画の見方・学び方 (放送大学叢書)

5 ボッティチェリ「プリマヴェーラ」―ヴィーナスの園としてのフィレンツェ (作品とコンテクスト)

以上の本を読み終えるころには、美術史研究の基礎ができつつあると思います。そこで挑戦したいのが、三元社の「作品とコンテクスト」シリーズです。ここではそのうちの一冊、ボッティチェリの作品を取り上げた著書をとりあげましたが、これまでの読書のなかで出会った自分の気になる画家についての巻を読むのもおすすめです。一つの作品を「研究」することの奥深さを体験できる、刺激的なシリーズです。