電気電子工学の肝心要、電磁気学入門!

2018-04-30 17:22:11 +0900 written by 一生 橋本

身の回りには、スマホ、PC、EV...ありとあらゆるところに電気電子工学が隠れています。そんな電気電子工学も分解してみれば、電磁気学と量子力学が根幹にあります。ここでは、電磁気学の入門に最適な4冊をご紹介します。私は物事の理解には、二段階の過程を経ることをオススメしています。それは、(1)個別事象を集めて整理する一般化(抽象化)と(2)一般化された概念から個別の事象の説明です。一般化された式は綺麗で美しいですが、初学者には抽象的で何を意味するかわかりません。一方、個別の例をたくさん知っていても、それぞれが意味を持って接続されていなければ応用はききません。特に、電磁気学は抽象的で目に見えず難しいと思われがちなので、その点を払拭できるチョイスになっています。

1 復刻版 バークレー物理学コース 電磁気 (バークレー物理学コース 復刻版 2)

この本は私が博士課程になってから手に取りました。静電荷と静電場など、ベーシックな個別の事象から、最終的に電磁気学の基礎方程式群であるMaxwell方程式にたどり着く構成です。図が豊富でビジュアル的にもわかりやすく、式の解説も丁寧なので数学に不安がある方も置いていかれることはないです。また、電気回路理論との接続にもきちんと触れてあるので、最初の一冊には最適です。難があるとすれば、CGS単位系(古い単位系)で書いてあることです。原書最新版Electricity and Magnetism 3rd EditionはSI単位系に修正されているので、英語に抵抗がなければこちらがオススメです。

2 理論電磁気学

さて、この本は電磁気気学を専門にするならば、定番中の定番と言って良いでしょう。ただ、今度はMaxwell方程式ありきで、個別の事象を説明していく形になります。なので、最初の一冊にこの本を手に取ってしまうと抽象度が高く少し混乱を招きます。ただ、記述は非常に丁寧でMaxwell方程式にたどり着く過程を理解できていれば、すんなりと頭に入ってくると思います。Maxwell方程式から話を展開する形なので、実際の問題に当たるときの応用性が高まります。この本を完全に理解できれば、電磁気学の基本をマスターできたと言って良いでしょう。

3 Mathematicaによる電磁気学

これは私が学部生で研究室に配属された頃から、ちょくちょくお世話になっている本です。実際の電磁気学の問題に当たると計算が煩雑になりますので、コンピュータでの計算が不可欠です。この本は汎用的な科学計算ソフトであるMathematicaで電磁気学の基礎をおさらいしていく形で話が進みます。計算方法だけでなく、ベクトル場の可視化を扱うことになるので、自分が解いている式が実際にどんな意味を持つかビジュアル的に実感することができます。より電磁気を身近に感じるための一冊でとても重要です。

4 電磁気学 (上) (物理学叢書 (90))

世界的に定番なジャクソン電磁気学です。私も博士課程で、研究で本格的に理解を深める必要を感じたときに本書を手に取りました。砂川先生の理論電磁気学の上位互換と捉えれば良いでしょう。取り扱う問題がかなり専門的で、ニッチな問題の解法も数多く詳細に載っています。電磁気学を専門に扱わない人は必要ないレベルかもしれません。ですが、複雑な問題の境界条件の取り方など、電磁気学を高いレベルで研究しようと思う修士以上の方には、ぜひクリアしてほしい一冊です。

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