魅惑の深みから出てこれなくなったースイス研究<中級編・政治と法律>

2017-12-21 02:59:59 +0900 written by Ao FUJII

「スイス研究<入門編>で、すっかりスイスの虜になってしまった」、「実はあんまり歴史は得意ではないので、今のスイスにつながる勉強がしたい」、「スイスと日本の関わりに興味がある」。ーわがままな”スイス中級者向け”に、法律や、国家システム、外交史に食い込む本棚です。

1 岐路に立つスイス

20世紀後半からのスイスの姿をみるのに最適。政党制と選挙制度(第1部)や欧州連合との関係(第2部)はもちろんのこと、おすすめは第3部の憲法改正手続きのまとめ。1848年以来、きわめて積極的に改正されるスイス憲法ですが、2000年の新憲法制定に向けては論点の多さや内政・外政のてんやわんやが問題になったことが理解できます。 連邦制の政治システムを学ぶ目的でも役に立ちます。

2 未知との遭遇 スイスと日本―16世紀~1914年

スイス人外交史研究者による、日本とスイスの外交史。日本もスイスも、周辺国とは一線を画すという共通点を持つがゆえに、接点を見つけ出すのが難しい。この点を掘り下げた稀有な歴史・政治書です。日本の鎖国、スイスの国家体制の創立という時代にルソーをはじめとする大物たちが日本に興味をもっていたという様々なエピソードからは、単なる二国間関係の歴史というよりも、運命的な縁を感じ取ってしまいます。

3 スイス歴史が生んだ異色の憲法 (Minerva21世紀ライブラリー (72))

スイス憲法は、他の国の憲法とちょっと違います。なにしろ、1848年から600回以上の改正を経て、いまなお国民投票を含んだ直接民主制をひょうひょうと維持している。それに、永世中立や国民皆兵がいまや珍しい制度なのに加えて、かつてはアプサン(薬草リキュール)の禁止まで憲法条文にあったことも!「その国を知るにはその国の憲法を勉強せよ!」ー手作り感あふれる、だからこそ深く切り込める、スイス憲法研究の必読書。

4 スイス史研究の新地平―都市・農村・国家

スイスに少しはまってしまったら、中世くらいから国家システム・産業を探るのが面白い。この国の歴史や文化に興味がある人も、避けては通れない中世都市や、直接民主政の運営について知るのにベストの一冊です。現代のスイスを知っている人は、跡をたどりながら。欧州を知っている人は比較しながら。

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