ほんとうにムダ?ー世界を広げる外国語教育の可能性

2017-12-14 22:09:11 +0900 written by 碧 藤井

99%の人が、日本語のみで生活できる日本。 高等教育を受けた10%未満のみが、英語で仕事する日本。 「それなら第二外国語は単位だけ取ればいい」? 必要ないかもしれない、いつ役に立つのか分からない、だからこそまだ見ぬ世界に連れて行ってくれる。そんな外国語の魅力を教えてくれる社会言語学の名著たち。

1 マルチ言語宣言: なぜ英語以外の外国語を学ぶのか

英語以外の外国語を学ぶことで、具体的にどんな世界が見られるようになるのか。アラビア語、フランス語、スペイン語など個々の事例を通して説明される第一部。そして、複数の外国語を学ぶことが日常茶飯事のヨーロッパでの議論を題材に、外国語教育の意義にせまる第二部。日本語だけで生活でき、英語だけで高等教育までやり過ごせる日本の状況を見直すきっかけになります。

2 節英のすすめ: 脱英語依存こそ国際化・グローバル化対応のカギ

「英語を使えば使うほど、世界が広がる」-そんな錯覚に陥っていませんか。一つの言語で多くの人と多くの物事が共有される状態は、裏を返してみると、その言語を使わない人との対話を無意識に排除し、共有されない様々な知見に盲目的になってしまう危険をはらんでいます。外国語によるコミュニケーションの目的は本来、新しい価値観との出会いであるはずなのに、英語テリトリーを広げることは結果的に価値観の一元化しかもたらしません。過剰な英語拡大に警鐘を鳴らし、より視野の広い言語世界を提案する一冊です。

3 言語への目覚め活動 ―複言語主義に基づく教授法

複数の言語を学ぶとは、「外国語といったら英語」の日本人から見れば非現実的に思えるかもしれません。しかし、外国語学習は文法や会話の能力向上だけを目標とするものではなく、異文化への寛容や、言語そのものの機能への興味を喚起するものだと考えたら?―より多くの言語や文化に触れさせ、自らの言語的経験を最大限に活用させ、世界の多様性や言語文化の豊かさを伝える”複言語教育”の可能性。

4 市民性形成とことばの教育 ―母語・第二言語・外国語を超えて (リテラシーズ叢書)

日本の教育の範疇で「ことばを学ぶ」とは、日本語あるいは外国語として英語を学ぶこととイコールです。しかし、世界を見渡してみると同じような例は決して多くはありません。自分が母語だと考える言語を思うように操ることのできない人や、生きるため・働くため・考えるために慣れない言語の使用を強いられる人もいます。それらをふまえ、「ことばの教育」が伝えることのできるものとは?社会のなかに、言語教育を位置づけて考察する一冊です。

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