オペラ史(演劇学編)〜「観る」オペラ入門

2015-07-10 18:43:06 +0900 written by 大矢 未来

オペラを「聴くもの」ではなく「観るもの」として、「クラシック音楽」ではなく「舞台芸術」として見ると…?この本棚では、演劇学の立場からオペラを知ることが出来ます。古典的な作品には、今日様々な演出が存在し、それぞれ異なる切り口・異なる解釈が示されます。また、たとえ同じ上演を観たとしても、観客それぞれが持つバックグラウンドの違いによって、全く異なる受け取り方が出来るでしょう。まずは一つの作品を色々な演出で観ることからはじめてみましょう。

1 ヴェルディ:歌劇《椿姫》 [DVD]

本のおすすめ度:4.4

【「観る」オペラとは?ー比較してみよう】イタリアの作曲家ジュゼッペ・ヴェルディによる《ラ・トラヴィアータ》は、華やかな名曲の数々と舞台装置、薄幸のヒロインと、いかにも「オペラ」だ。しかし、このオペラは単なるお涙頂戴の物語ではない。現代のオペラ・ハウスではいかなる上演が行われているのかーオーソドックスな演出と現代的な演出を比較するのに最適。こちらはリチャード・エアーによるオーソドックスな演出。

2 ヴェルディ:歌劇「椿姫」全曲[Blu-ray] [DVD]

【「観る」オペラとは?ー比較してみよう】イタリアの作曲家ジュゼッペ・ヴェルディによる《ラ・トラヴィアータ》は、華やかな名曲の数々と舞台装置、薄幸のヒロインと、いかにも「オペラ」だ。しかし、このオペラは単なるお涙頂戴の物語ではない。現代のオペラ・ハウスではいかなる上演が行われているのかーオーソドックスな演出と現代的な演出を比較するのに最適。こちらはペーター・コンヴィチュニーによる現代的な演出。

3 ヴェルディ:歌劇《椿姫》フェニーチェ歌劇場2004年 [DVD]

本のおすすめ度:3.2

【「観る」オペラとは?ー比較してみよう】イタリアの作曲家ジュゼッペ・ヴェルディによる《ラ・トラヴィアータ》は、華やかな名曲の数々と舞台装置、薄幸のヒロインと、いかにも「オペラ」だ。しかし、このオペラは単なるお涙頂戴の物語ではない。現代のオペラ・ハウスではいかなる上演が行われているのかーオーソドックスな演出と現代的な演出を比較するのに最適。こちらはロバート・カーセンによる現代的な演出。

4 オペラハウスから世界を見る (125ライブラリー)

画期的な現代のオペラ演出の数々を取り上げ、分析を行っている。オペラ・ハウスの中と現実の世界がどのようにリンクしているのか、その一端を掴むことが出来る。DVDを見て興味がわいたら、次のステップとしておすすめ。

5 演劇学へのいざない―研究の基礎

演劇学の教科書。オペラを「舞台芸術」としてとらえる場合、「演劇学」の知識が必要である。この本では、主にドイツ演劇を中心に、「演劇学のはじまり」から「上演とはなにか?」「演出とはなにか?」「分析とは?」というところまで、演劇学を勉強するための基礎理論を学べる。日本語で読む(ドイツ系の)演劇学入門として最適。

6 初期オペラの研究―総合舞台芸術への学術的アプローチ

16世紀末から18世紀までのオペラについての様々なテーマを扱った論文が収録される。オペラ史をざっと把握したところで、「舞台芸術としてのオペラ」に実際「どのようなアプローチが可能なのか?」を学べる。文学・演劇学からのアプローチが多い。同シリーズ『オペラ学の地平―総合舞台芸術への学際的アプローチ2』は、19世紀から20世紀までのさらに先の時代を取り扱う。二冊あわせて読むことで、より深くオペラ研究の広がりを知ることが出来る。

7 From the Score to the Stage: An Illustrated History of Continental Opera Production and Staging

初期から現代までのオペラ上演に関して、「演出」からアプ ローチした本。演出理論や舞台機構の仕組み、歌劇場の構造などについて知るにはこの本が今後一つのスタンダードになるかもしれない。筆者自身が歌劇場で働く劇場関係者であると同時に、各国で入念な調査を行っており、図版も充実している。舞台機構の専門用語も、英語の勉強にもなるかも?

8 Mozart on the Stage (Composers on the Stage)

モーツァルトのオペラについて、従来の音楽分析や韻律分析ではなく、「上演」からアプローチした本。モーツァルトが生きた18世紀、あの名作オペラの数々はどのように上演され、観客にどのように受容されていたのか?当時の舞台機構に関しても具体的に知ることが出来る。

9 Regietheater in Der Oper: Eine Musiksoziologische Untersuchung Am Beispiel Der Stuttgarter Inszenierung Von Wagners Ring Des Nibelungen

2002/03年にシュトゥットガルトで行われたワーグナーの 《ニーベルングの指輪》を扱った博士論文。前半はオペラ におけるレジー・テアター(演出主導の上演)を体系化する試み。20世紀初期 から主だったオペラ演出家が扱われる。オペラ上演にとって「演出」が欠かせなくなった現代、その元はどこにあるのか、これまでどのようなタイプの演出家がいたのか、どのような考え方で演出が行われているのか…など、オペラ上演・演出をさらに深く学ぶことが出来る。ドイツ語。