「イノベーションなんて関係ない!」というあなたに贈るイノベーション思考を身に着けるための本棚

2016-09-30 16:02:28 +0900 written by 北岡 和義

「イノベーション」という言葉が日常的に使われている現代、しかしそのイノベーションという言葉自体の意味は実はよく理解されていません。「どうせ工学系の人の話でしょ?!」とお考えのあなたにこそ読んでほしい、イノベーションを導くための思考法に誘う4冊を紹介します。

1 発明・発見のひみつ (学研まんが ひみつシリーズ)

この本を初めて読んだのは数十年前の小学校の図書室でした。電球や電話、飛行機など有名な逸話から亀の子たわしやあんパン、しょう油などの日本人による発明まで、古今東西のあらゆる発明・発見、つまり「イノベーション」の具体例がマンガで分かりやすく記載されてます。 読み進めていくうちに、「イノベーションとは複数のものごとを組み合わせてできる」こと、そして「イノベーションとはそれまでの社会を一変させる力がある」ことが実感していただけると思います。 後に紹介する「イノベーションパス」の著者である横田幸信さんも推薦する名著です。

2 ピタゴラ装置DVDブック1

複数のものごとを組み合わせると何が起こるのでしょうか?それはこれまでに存在しなかった新しい「かたち」と「しくみ」です。本書では「ピタゴラ装置」と呼ばれる『ピタゴラスイッチ♪』というメッセージを表現するための、極限までに練りこまれた機構の数々を書籍とDVDで紹介しています。用いられているものはどこにでもありそうな日用品の数々。ですがその流れるような動きは神秘的ですらあります。「イノベーション」の根本とは、ここで行われているような、「あるものごとを組み合わせて新しいしくみを達成させる」ことにあるといえます。あとがきにはピタゴラ装置を作るための一連の苦難と喜びについて触れられていますが、そこで語られる内容は近年注目される「デザイン思考」と相通じる点が数多くあります。続編の②と③ももちろんおすすめ。

3 システム思考をはじめてみよう

複数のものごとの相互関係によるふるまいは「システム」と呼ばれます。これまでに存在しなかった新しい「かたち」と「しくみ」を創造することは、新しいシステムを創造することにほかなりません。本書はシステム思考、つまりシステムという考え方について、私の知る限り最もわかりやすく書かれたエッセイ集です。あまりにサラッと読めてしまうので物足りない感じはあるかもしれませんが、繰り返し読むことで自分たちが作った「新しいけどちっぽけなものごと」が、世界を変える、つまり「イノベーション」となる可能性があることが信じられるのではないかと思います。

4 INNOVATION PATH イノベーションパス

最後にご紹介する本はより実践的な内容です。「実際のイノベーションをどのように創出するか」というテーマについて、東京大学のイノベーション教育プロジェクト「i.school」やイノベーション創出コンサルタント「i.lab」で実践されている日本における最新のイノベーション創出手法について、両者に深くかかわる著者が企業での具体例などを交えながら紹介しています。「イノベーションパス」の題名が示すとおり、本書はイノベーションにはそこに至る道、つまり方法が存在するという考え方に貫かれています。それはイノベーションというものは一握りの天才にだけ許されるものではなく、学び取ることで誰でもが起こしうるものであるというメッセージです。