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(洋書)日本/世界経済の未来?~マクロ経済学への誘い~

2016-08-08 22:49:46 +0900 written by Mizuki Tsuboi

ここ数年「アベノミクス」とか「日銀による異次元金融緩和」という言葉を、よく聞くようになりましたね。ところで、そうした政策は、私たちの生活に、いったいどのような影響をもたらしているのでしょうか?私たちの生活は本当に楽になっているのでしょうか?大学1~2年レベルのマクロ経済学を学ぶことで、こうした問いについて考えるための「ヒント」を得ることができます。「経済学は数学がいるから・・・」と思って躊躇っているあなたは、この本棚を覗いてみて下さい(英語が苦手な方は、この本棚の邦書版を御覧ください^^)。

1 Principles of Macroeconomics, 7th Edition

マクロ経済学の入門書と言えば『マンキュー』です。日本、アメリカを含め、全世界で読まれている名著です。普通の経済学の教科書だと、数式が並んでいて分からなかったり、理論の説明ばかりで現実との接点が不明だったりします。しかし、マンキューは数式を使わず、言葉と図を尽くして、マクロ経済学を1から教えてくれます。また、本文中には溢れるほどのケーススタディや実際の新聞からの引用があり「なるほど、今学んだことで現実のあの現象が理解出来るのか」という快感を味わうことが出来ます。一生本棚に置いておく価値ありです!

2 Macroeconomics

『マンキュー』の中級版です。「中級」と言っても、数式は皆無に等しく、あっても四則計算です。初級のprinciples of macroeconomicsと同様、ともすれば難解な概念を、言葉の力で私たちに伝えてくれます。また、本文中に溢れるケース・スタディは、とても興味深いものばかりで、読んでいて飽きません。2008年の世界金融危機、その後のギリシャの債務危機など、タイムリーな話題を理論と上手く融合させていて「なるほど!」の連続です。初級版と同じく、読者を裏切らない中級マクロの名著です(最後まで読めば、最新のマクロ経済理論を少し知ることも出来ます)。

3 Macroeconomics (7th Edition)

『マンキュー』と並ぶマクロ経済学の名著です。内容としては、これ一冊でマンキューの初級版と中級版の内容を全て網羅しています。だからと言って分かりにくいということは一切なく、言葉による丁寧な説明、四則計算だけの丁寧な式展開、現実のニュースを取り入れたFocus Boxの3つを軸に、初心者を一気に中級のマクロ経済学まで連れて行ってくれます。『マンキュー』の説明が冗長で好かない、という人にはおススメです。この本の最終章には「マクロ経済学の歴史」という章があり、マクロ経済学の誕生から今日までを、新聞のように読めます!

4 Schaum's Outline of Introduction to Mathematical Economics, 3rd Edition (Schaum's Outlines)

「なぜマクロ経済学の所に数学本?」と思われるかもしれませんが、上級のマクロ経済学は、残念ながら数学無しでは学べません。上のMankiwとBlanchardのMacroeconomicsを読破すれば、現実の経済を十分理解出来ますが「もっとマクロ経済理論をしっかり学んでみたい」と思うと、数学を使う上級のマクロ経済学と対峙する必要があります。この(値段がお得な)本は、何と中学3年生の「展開」からスタートして、難しい「最適制御理論」までを、例題で驚くほど上手に説明しています。この一冊をマスターするだけで、上級のマクロ経済学の本が読めます!

5 Advanced Macroeconomics (The Mcgraw-Hill Series in Economics)

これはタイトルの通り、完全に「上級」の本で、遠慮なく数学が使われる大学院レベルのマクロ経済学の教科書です。ただ「上級」なので数学は使いますが、その分言葉でかなり補ってくれているので、結構読みやすいです。数学が出来るなら、大学3~4年生でも読めます。内容は辞書的な感じで、何かに偏ることなく、色々なトピックをバランス良く紹介してくれています。この本を読んだ後、自分が一番興味をもてたトピックについて特化していけば良いと思います。経済成長から景気循環まで、本当に色々な話題を丁寧に説明してくれています。

6 Lectures on Macroeconomics (MIT Press)

大学院マクロ経済学の古典であり、これこそが本物の「上級マクロ経済学」です。出版から25年以上が経っていますが、説明の分かりやすさは今でも天下一です。使われている数学は高度ですが、経済数学さえしっかり理解していれば、とても多くのことを学ぶことが出来ます。色々なモデルがバランス良く、かつ詳しく説明されています。この本を読みこなすことが出来れば「大学院レベルのマクロ経済学を勉強した」と胸を張って言うことが出来るはずです。時間があれば是非挑戦してほしい、不朽の名著です。

7 Big Ideas in Macroeconomics: A Nontechnical View (MIT Press)

「大学院のマクロ経済学」=「数学を使う」という構図を崩した、今まででたった1つの本です。何と、大学院のマクロ経済学をすべて「言葉だけ」で説明しています。疑って中身をパラパラとめくったものの、本当に言葉しかありません。実際の研究をする時は数学は不可避ですが、研究をするわけではなくて、ただ好奇心で「大学院のマクロ経済学がどんなものか知ってみたいけど、数学だらけで分からないしなぁ・・・」という方には、この本しかありません!

8 The ABCs of RBCs: An Introduction to Dynamic Macroeconomic Models

大学院のマクロ経済学で「景気循環」の方に興味を持った方は、まずこの本に取り組んでみて下さい。ダイナミックプログラミング(DP)という、経済学で大活躍するものの難解な数学を、とてつもない分かりやすさで説明しています。色々な本を読みましたが、私はこの本を読んで初めてDPを理解することが出来ました。さらに、コンピュータを用いて経済をシミュレーションするという方法が現代の大学院マクロ経済学の主流ですが、その入門書として、この本以上の分かりやすさを持った本には、未だにお目にかかったことがありません!

9 The Economics of Growth (MIT Press)

大学院のマクロ経済学で「経済成長」の方に興味を持った方は、まずこの本に取り組んでみると良いと思います。普通の経済成長論の本では扱われないトピックスについても紹介されているので「なぜ世界には貧しい国と豊かな国があるのか」について考えるためのヒントをたくさん知ることが出来ます。ただし、数学については上記の経済数学の本に載っている最適制御理論等を使うので、数学を学ぶことなしには読めません。ただし、それほど難しくないので、経済数学を一通りマスターして、一読することをおススメします。

10 Introduction To Modern Economic Growth

「経済成長論」の神です。この本を読み終えれば、胸を張って「私は経済成長論の専門家です!」と名乗ることが出来ます。とにかく「そこまで説明してくれなくて良いよ!」と言いたくなるほど、丁寧に説明してくれます。本の最後には数学補論もついていて、大学院生に必要な経済数学の一覧を提供してくれています。著者が経済成長論のボスなだけあって、最新の経済成長論の理論まで書かれている、巨大な名著です。ただし、使われている数学はとてつもなく高度で、私が上に挙げた経済数学の本を読んでも太刀打ちできない箇所もあります。

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