ゲーム理論,ちゃんと学ぶなら

2016-04-11 01:14:23 +0900 written by 磯貝 茂樹

「戦略的思考」という題目で喧伝されやすいゲーム理論,数年前から啓蒙書(?)が出てきたりセンター試験で出題されたりと何かと話題ですが,細かい部分の理解について「ん?」と思うこともあったり...ここでは(ある程度定番書の紹介にはなってしまいますが)作成者の考える良書を難易度順に挙げていきます.個人的にはギボンズのテキストを読むことを一応の目安としたいところですが,この本は最初の1章と残りの章との難易度の差が激しく,それだけに色々と誤解を受けやすい本だったりします.ゲーム理論の応用範囲の広さを知っていただくためにはいきなりギボンズを薦められない...ということで色々と本を紹介している,というのがこの本棚作成の本心だったりします.(まだまだ定番書ばかりなので,これからも読んだ本が増える毎に追記していきたいと思います...)

1 戦略的思考の技術―ゲーム理論を実践する (中公新書)

まずはゲーム理論を実際のシチュエーションでどう応用でき(う)るかという点について,モチベーションを高めるためにこちらを読んでみるのはいかがでしょうか.

2 ゲーム理論・入門 新版--人間社会の理解のために (有斐閣アルマ)

日本語でゲーム理論の入門書といえばこちら.ささっと読んじゃいましょう.

3 ミクロ経済学 戦略的アプローチ

岡田先生の本の後にギボンズに進んでも良いのですが,せっかくなので,ゲーム理論を中心にミクロ経済学のトピックを捉え直すというコンセプト(ですよね?)のこの本を.読みやすいタッチの本ですが,扱っている内容はなかなか高度です.

4 経済学のためのゲーム理論入門

こちらがそのギボンズ,おおまかに言うと第1章は学部初級〜中級,第2-3章は学部中級〜大学院初級,第4章は大学院初級レベル,と難易度の差が非常に激しいです.しかし豊富な応用例とそれに必要十分な理論の解説がなされている素晴らしい本です(ちなみにこの本の内容を理解するのが大学院でゲーム理論を学んだと胸を張って言えるための条件のように思います).若干説明の薄い部分もありますが,とりあえずこの本を読むのが一つの目安になるかなと思います.

5 Game Theory: Analysis of Conflict

ギボンズの理論パートの細かい記述について知りたくなったらこちらを.現実の状況からスタートして,それをどのような形で(ゲーム理論という)数理モデルに落としこむか,という点についての筆者の真剣さが伝わってくるような良書です.洋書のゲーム理論上級書では他にOsbourne and Rubinstein,Fudenberg and Tiroleによるものがありますが,上に挙げた点から個人的にはこの本が一番のお気に入りです.ちなみに第一章の内容は難しいことで悪名高いので,first readingのときにはとばしましょう.

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