わくわくするような未知の知との出会い

高校生も読める、道徳の授業が嫌いだった人のための道徳哲学

2016-04-10 21:03:20 +0900 written by Naka Ei

小学生の頃、道徳の時間で教えられた事柄に納得のいかなかった方は多いのではないでしょうか。その1つの理由は、道徳を正解のように与えられたことかもしれません。 道徳哲学の領域では、「そもそも正解はあるのか」「正解にはどのような方法で辿り着けるのか」「その正解や方法はただ1つなのか」「複数ある場合どのように優先順位を付けるのか」といったことが問われます。 応用倫理学の範囲の本棚も並べています。中絶、動物の権利、尊厳死、ジェンダー、戦争、国際援助など具体的な問題と結びつけて学びたい・考えたい方にもオススメです。 この本棚を読み終わった後に、世界の貧困問題とそれに関する倫理・正義に関心を持った方は是非こちらの本棚もどうぞ。国際援助を正義と倫理の観点から問い直す: http://mitorizu.jp/shelves/14

1 現代倫理学入門 (講談社学術文庫)

1.倫理学を学ぶ方なら誰でも知っている加藤さんの本です。様々な道徳規則をわかりやすく紹介してくれます。倫理的に考えるための「考え方=規則」を紹介してくれているため、逆に言うと現実的な問題にすぐ結びつけづらいかもしれません。説明書を読まずにやりながらルールを覚える性格の方は、2冊目を読んでから戻ってくるのが良さそうです。

2 倫理空間への問い――応用倫理学から世界を見る――

2.副題にある通り応用倫理学(具体的な問題群に対して、どのような態度・行動が倫理的なのかを考える)分野の本です。序章は1冊目のような倫理学そのものについての章なので、堅苦しいと思ったらすぐに2章以降に移りましょう。安楽死、エンハンスメント(遺伝子改良)、環境倫理、世代間倫理、国際援助、戦争・暴力、資本主義、自由主義について語られます。

3 新・環境倫理学のすすめ (丸善ライブラリー)

3.上述の二冊の本のどちらかを読んだ上で、とりわけ環境倫理に関心があると自覚した方にオススメの本です。持続可能性、自然資源枯渇問題、生物多様性などがキーワードでしょうか。

4 貧困の倫理学 (平凡社新書)

4.一番目・二番目の本を読んだ後に、とりわけ世界の貧困問題について関心がある方にオススメの本です。国際援助をするべきだ、と結論付ける理論は大きく6つに大別可能ですが、それぞれをざっくり理解することができます。カント主義、生存権(シュー)、加害論(ポッゲ)、格差原則(ロールズ)、功利主義(シンガー)など。

5 現実をみつめる道徳哲学―安楽死からフェミニズムまで

5.これまで取り上げられてきた様々な問題群の全てに通底する、「その問題をどのような理論で捉えるか」という理論を幅広く学べる本です。他のものと比べてやや抽象度が高く、読みづらい印象を受けるかもしれません。しかし、これらの基本的な倫理理論を理解した後もう一度この本棚を読みなおしてみると、この本の価値がよくわかるはずです。(1冊目の上級版とも言えるかもしれません)

この本棚の作成者はこのような本棚も書いています。