スマートフォンの中身って!?〜半導体素子の原理を知る〜

2015-08-30 17:04:28 +0900 written by 土屋 春樹

今や使わない人はいないであろうスマートフォンやパソコン。これらの装置はどの様に作られているのでしょうか?もちろんそれはハードウェアからプログラムやデザイン等のソフトウェアまで多岐な分野が融合することによって成り立っています。ですが、そのベースとなるハードウェアの部分は「半導体」という材料から成る小さな部品が数十億個という規模で組み合わさってできた電気回路によって成り立っています。この半導体の物理的な理解から代表的な応用について学ぶのが「半導体工学」という分野になります。 ここでは僕が学部時代に基礎的な半導体について理解するために実際に使用したテキストや評判の良い本を紹介します。 ※学問の性質上、大学初年度で学習する微積分や物理学を履修したことと仮定して書籍を紹介します。

1 よくわかる電子デバイス (セメスタ学習シリーズ)

半導体を用いた代表的な応用例であるpn接合ダイオード、バイポーラートランジスタ、MOSFETについて非常にわかりやすい定性的な説明が記されています。(かといって基本的な数式が省かれている訳ではありません。)この本ではあくまで1学期の大学のセメスター内にこれらの素子と基本原理の概要を理解する事が目標です。まず本書の理解を心がけ、疑問に思った事、深く知りたい部分は以下に示すより詳細に書かれた書籍を参照すると良いと思います。

2 半導体工学―半導体物性の基礎 (森北電気工学シリーズ (4))

半導体工学を定量的に理解するために最低限必要な、量子論、バンド理論、統計力学から始まり上述の書籍に記述されている代表的な半導体素子の動作原理についてより詳細に記述されています。また、後半では半導体の光学的性質、熱との関係、そして量子効果を取り入れた新たなデバイスや関連技術についても取り扱われています。全てを理解するには非常に時間がかかると思います。まずは、1~3章で基本的な原理を知り、よくわかる電子デバイスと交互参照しつつ各種の素子の挙動を追ってみる事をお勧めします。

3 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ

これは僕が研究室に所属して半導体の研究を始めてから読んだ本です。著者は嘗て日立で半導体技術者として、日本がトップシェアを誇ったDRAMという半導体製品の開発に携わった方です。学問と直接的な関係はありませんが、半導体産業の難しさや、世界の競合他者と日本のメーカーとの戦略の違い等、一般の方が読んでいても面白い内容で半導体産業について述べられています。