子どもから大人まで楽しめるフランス文学

2015-08-24 21:16:56 +0900 written by 佐治 麻知子

フランス文学をみなさんは読んだことがありますか?難しそうと印象を持っている方もいると思います。しかし実はとても身近なものなのです。ディズニー映画にもなっている『美女と野獣』も、フランス文学が原作です。まずフランス文学にはどのような歴史があり、どのような作家がいて、どんな作品があるのか、知っていただければと思います。そして、子どもの方でも手を出しやすい作品から、偉大な長編小説まで、様々なタイプのフランス文学作品を紹介していこうと思います。

1 フランス文学案内 (岩波文庫)

子どもの方には難しい本だとは思いますが、まずフランス文学について知っていただきたいです。この本は専門書ではなく、案内書です。フランス文学のスタート地点です。フランス文学全体の流れを知ることができますし、それと同時に数多くの作家について手短な説明がされています。この本を読んで、気になる作家をピックアップし、その作家の作品を読んでみる、という進路はいかがでしょうか?

2 ペロー童話集 (岩波少年文庫 (113))

本のおすすめ度:4.3

今回の本棚のテーマは「子どもから大人まで楽しめるフランス文学」です。そこで文学入門編としてまずご紹介したいのは、シャルル・ペローの童話集です。「眠れる森の美女」、「シンデレラ」など有名な作品ばかりです。この童話はフランス文学だったのか!という発見もあるかもしれませんね。本を読むのが苦手という方も短編集なので簡単に読めると思います。また、こちらの本は岩波少年文庫ですが、岩波文庫からもペロー童話集が出版されています。お子さんの読書デビューにも良いかもしれません。

3 美女と野獣 (角川文庫)

こちらは有名な作品ですね。最初でも述べましたが、『美女と野獣』はフランス文学です。おそらくみなさんが知っている『美女と野獣』はきっとディズニー映画のようなものだと思いますが、原作は少し異なります。しかし文学作品として、美しい作品だと思います。この作品は20世紀にフランスの詩人であり映画監督でもあるジャン・コクトーによって映画化されています。コクトーは詩の世界を『美女と野獣』に込めました。白黒映画で、とても不思議な作品です。原作を読んだ後、コクトーの映画を見ていただくとより楽しんでいただけるのではないでしょうか。

4 美女と野獣 [DVD]

コクトーは詩人であり、映画監督としても有名だったというお話をしました。今回ご紹介するのはそのコクトーの映画作品です。文学作品として紹介した『美女と野獣』ですが、今回は映像作品です。コクトーは詩人として、詩の世界を映画の中に表現しました。ファンタジーの世界であり、、現実とも繋がりがある、夢の世界ともいうのでしょうか。表現することは難しいですが、原作を読んだ後に、コクトーがどのようにその世界を映像化したのか見ていただけると楽しめると思います。ディズニー映画の『美女と野獣』とはまた違う世界を味わうことができます。

5 星の王子さま (新潮文庫)

本のおすすめ度:4.5

こちらの作品は有名ですね。『星の王子様』です。作者のサン=テグジュペリは20世紀の作家であり、飛行士でもありました。『星の王子様』は自分の砂漠での遭難体験がもとになっているといわれています。私は小学生の時に初めて読みました。大学生になり、フランス文学の授業の題材として『星の王子様』が使われました。あらためて読んでみて、また違った印象を受けました。有名な言葉として、「大切なものは、目に見えない」などがあり、どの世代の方でも楽しめる作品です。むしろ私は大人が読むべき作品なのではないかと思っています。ひとつひとつの言葉を楽しんでいただけたらと思います。

6 レ・ミゼラブル〈1〉 (岩波文庫)

本のおすすめ度:4.8

最後に、私が大好きな作品を紹介します。フランス文学といえば、この作品を挙げずにはいられません。ユーゴーの『レ・ミゼラブル』です。19世紀の作品です。長編作品であり、文庫本で4冊にもなります。この作品は時代や場面の移り変わりが激しいです。読み始めるにはかなりの勇気が必要ですが、読み始めてしまうとあっという間に作品の世界に引き込まれてしまいます。私は読み終わる頃には感動で泣きながら読んでいました…この作品のなかでは、19世紀の人々がどのような生活をしていたのかをリアルに知ることができます。まさに「人間」というものを描いた物語だと思います。私はこの作品を用いて自分の専門の研究をしています。いままで読み継がれている理由が分かります。本当に感動的な素晴らしい物語です。ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?