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奄美群島と日本-沖縄の隣、鹿児島の尻尾-「境界」「米軍政」「ポストコロニアル」などのキーワードに惹かれる方へ

2015-08-21 23:53:50 +0900 written by 城 渚紗

鹿児島県奄美群島。沖縄の隣、鹿児島の尻尾。南西諸島に属する奄美群島は、1609年の琉球侵攻によって薩摩藩の直轄統治を受けることになった。明治、大正、昭和…終戦を向かえた奄美は沖縄とともに米軍政下におかれたのち、1953年に返還された。奄美群島の人々はそれぞれに沖縄よりの与論から北は喜界島まで、どこか心の中にアイデンティティの葛藤を抱えている場合が多い。高校卒業までを奄美大島ですごした自身が本棚を作成した。

1 奄美の歴史入門

奄美群島の歴史を広く網羅した概説書。何の予備知識のない方でもわかりやすく読むことができる。ひとまず通史の大まかな流れを辿りたい方には必携の一冊。 また、特産品や伝統的な習俗など、奄美の基本事項を知るにも適した内容であり、「奄美」とは何かを知る入門書である。

2 それぞれの奄美論・50―奄美21世紀への序奏

考古学、芸能、日本復帰運動など、様々な角度から50人の関係者が思い思いの奄美を語っている一冊。基礎知識をなんとなく把握できたなら、こちらの一冊で研究者から奄美で実際に働く人まで、その魅力や生々しい所感を知ることができる。 50人それぞれが平易な語り口で記しているため、基本的な背景を知っていればわかりやすく読める内容となっている。

3 奄美戦後史―揺れる奄美、変容の諸相

応用編。本当に奄美に興味がある人でないと途中でやめてしまうかも。 終戦間もないころから今日まで、奄美群島がたどった道筋と抱えている問題を、一次資料に基づき整理し、論じた一冊。 奄美群島の中でも、沖縄よりの島々と、そうでない島々の住民たちの間にあるアイデンティティの相違、奄美群島振興開発特別措置法に伴う開発問題など、分野も広く網羅されている。 少しアカデミックに「奄美」とは何かを学んでみたい方にはオススメの本。

4 奄美返還と日米関係―戦後アメリカの奄美・沖縄占領とアジア戦略

番外編。膨大な一次資料に基づいた学術的な内容となるため、日米関係や当時の国際情勢を念頭にいれてから取りかかるとぐっと理解が深まる。沖縄、小笠原のさきがけとなった奄美返還を学ぶことで、国際政治の舞台で大きな役割を担わされた島々への戦略上の位置づけをより深く理解するきっかけとなるかもしれない。

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