わくわくするような未知の知との出会い

最新の開発経済学が分かる定番書

2015-08-21 07:17:02 +0900 written by Kamo Shunsuke

開発経済学の「今」が分かる定番書について紹介します。前半の3冊が開発経済学の新定番書で、ミクロ計量経済学的研究やフィールド実験の進展によって、2000年以降目覚ましい進歩を遂げている最新の貧困研究を垣間見ることができます。後半の3冊が旧定番書で、「貧困の原因は何か?」「開発援助は役に立つのか?」という開発経済学の分野で頻繁に行われていた議論について学ぶことができます。6冊すべてが一流の開発経済学者による世界的に有名な著書の邦訳版なので、それぞれ洋書で読むこともできます。

1 貧乏人の経済学 - もういちど貧困問題を根っこから考える

フィールド実験(Randomization)革命のきっかけとなる研究グループ(J-PAL)を創立したA.V.バナジー、E.デュフロによる開発経済学の分野に大きな影響を与えた著書。この一冊を読むだけでも開発経済学のトレンドについて知ることができます。

2 最底辺のポートフォリオ ――1日2ドルで暮らすということ

本のおすすめ度:3.5

貧困の問題を金融と絡めて考えてみたい人に是非読んでもらいたい本です。長期に渡る聞き取り調査をもとに、マイクロファイナンスやインフォーマル金融の実態を分析しています。

3 善意で貧困はなくせるのか?―― 貧乏人の行動経済学

社会実験と行動経済学を組み合わせて、開発プロジェクトの「なにがうまくいって、なにがだめなのか」を実証しています。ひとつひとつの事例が非常に面白く、分かりやすいので、初めの一冊としてもおすすめです。

4 貧困の終焉―2025年までに世界を変える

開発援助によって「貧困の罠」にはまっている貧困層の人々を救うことができると主張するサックス(コロンビア大学)による著書。

5 エコノミスト 南の貧困と闘う

本のおすすめ度:4.7

開発援助は不可欠だと主張するサックスに対し、真っ向から本論するイースタリー(ニューヨーク大学)による著書。援助は良いどころか悪い結果をもたらしていると考え、市場メカニズムを活用するべきだと主張している。

6 最底辺の10億人

本のおすすめ度:3.9

サックスの援助に対する考えは楽天的過ぎであり、イースタリーの考えは悲観的過ぎると主張しているコリア―(オックスフォード大学)による著書。

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