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地上に作る太陽〜核融合エネルギーとプラズマ物理〜

2015-08-31 21:06:35 +0900written by 大野 誠

太陽から地球に降り注ぐエネルギーは,太陽内で4つの水素原子から1つのヘリウムが生じる反応(いくつかの反応段階がある)によって生み出されています.これを核融合反応といいます.この核融合反応を地上で実現する研究が精力的に行われています.この本棚では定常的かつ経済的な核融合によるエネルギーの発生を目指した研究の二つの大きな流れのうち,磁力によって閉じ込められたプラズマを利用する方式(磁場閉じ込めプラズマ)を主として,核融合研究の概要とプラズマ物理の基礎を学べる本を紹介します.

1トコトンやさしいプラズマの本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)

プラズマとはどんなものだろう?という疑問をお持ちの方に始めに読んでいただきたい本です.身近にある”プラズマ”が紹介されています.イラストが多く楽しんで読むことができます.学部の頃に読みました.

2Fusion, Second Edition: The Energy of the Universe

「核融合反応とは何か」にはじまりこれを発生させる二つの方式,磁場閉じ込め方式と慣性閉じ込め方式に着いて解説されています.現在フランスで建設が進められている国際熱核融合実験炉(ITER/イーター)が紹介されており,こちらのプロジェクトについてはぜひ読んでいただきたいところです.本書では研究の歴史的背景に触れることにも注意が払われており,核融合科学の全体像の把握に適した本となっています.

3プラズマ物理入門

プラズマ物理の入門書です.プラズマの粒子の運動から始まり,波や不安定性,拡散など,プラズマを研究する上で基礎的な事柄を学ぶことができます.本書に出てくる数式は学部の物理数学の知識で追うことができます.

4プラズマ診断の基礎と応用

核融合プラズマは非常に高温でその深部まで固体のプローブを挿入することは困難なため,その性質を調べるために非接触で行う計測法が多く利用されています.計測にはプラズマから放射される光や中性粒子を利用するものなどがありますが,本書では各種計測器の原理と応用例が紹介されています.